2019/12/11
古文の勉強方法②「古文文法って何からやればいいの?」~高校国語~
今回は文法の話をします。その前に、まず、前回のブログ古文の勉強方法①「なぜ古文を学ぶのか」~高校国語~を読んでくださいね。古文が苦手なのにいきなり文法の勉強をさせるのは、滑れない人をいきなりスケートリンクに突き飛ばすようなものですから。まずは羽生選手や紀平選手の素晴らしい演技を見て、スケートとは素敵なものだなぁ、滑れるようになりたいなぁ、と思ってからの方が絶対練習がはかどります。勉強も同じです。
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▼古文文法を勉強する順番
高校では、多くの場合以下のような順番で文法を習います。
最初の「動詞」「形容詞」「形容動詞」が古文文法の基礎です。「四段活用」とか「シク活用」とか「已然形」とかのことです。見覚えがあるのではないでしょうか。
基礎はとても大切です。今あなたが高校1年生なら、基礎から確認するのが良いでしょう。覚えたことが模試や学校のテストでも問われるのですぐに使えます。しかし、もしあなたが高校2年生以上であれば、基礎について問う問題は出題されません。せっかく苦手を克服したいと思って再び古文文法を勉強しても、すぐに使えないとつまらないですよね。
基礎はとても大切ですが、地道で退屈なものでもあります。ここでつまずいて古文が苦手になってしまったという生徒さんを私は多く見てきました。だったら、少し違うところから攻めてみてもよいのではないでしょうか?。
▼助動詞「許すマジ」?「けりがつく」?
助動詞の意味を知っていると、古文はだいぶ読みやすくなります。面白いトピックスをいくつか紹介しましょう。
★「許すマジ」?
「許すまじ」とは、「本気で許す」という意味ではありません。「まじ」は打消意志「~するまい」という意味の助動詞。よって、「許すまじ」は「許さない!」という意味ですね。
★現代語の慣用句「けりがつく」!
これは「作業や仕事などが完了してひと区切りつく」という意味ですよね。じゃあ、この「けり」ってなんでしょう?実は、過去の助動詞「けり」のことなんです。古文では、終わったことや過去のことを助動詞「けり」を付けて表していました。この助動詞が、現代語の慣用句「『けり』がつく」として今でも使われているんですね。
★「風立ちぬ」「風と共に去りぬ」
これって風は立ったの?立たないの?打消?完了?どっち?
これは両方とも直前が連用形なので、完了の助動詞「ぬ」です。だから「風が立った」「風と共に去った」という意味ですね。もし打消で「風が立たない」「風と共に去らない」という意味とするならば、直前は未然形である必要があります。「風立たぬ」「風と共に去らぬ」。うーん、しっくりきませんね。
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▼願望を表す終助詞をチェック!
次の文章は、『平家公達草紙』の一部分を簡略化した口語訳です。
「 ある雨の夜、〇〇中将や△△少将などが帝のお傍に仕えていた。
帝がおっしゃることには、
『退屈だなぁ。何か目が覚めるようなこと【もがな】』 」
さあ、この後ストーリーはどう展開するでしょうか。
実は、この【もがな】とは、願望を表す終助詞で「~があればいいなぁ・~してほしいなぁ」という意味です。つまり、「何か目が覚めるようなことがあればいいなぁ」と、帝が望んでいるのです。古文の世界で「帝」は最も偉い人ですので、その発言を「中将」や「少将」が無視するはずがありませんよね。この後、絶対に誰かが「何か目が覚めるようなこと」をやったり、帝に提案したりするはずです。
このように、願望を表す言葉を知っていると、その後のストーリーが予測できます。希望・願望を表す終助詞は他にも「ばや」「てしがな」などがありますので、チェックしてみましょう。
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▼【呼応の副詞】をおさえるべし
・え~打消 =「~できない」
・つゆ~打消 =「少しも~ない」
・な~そ =禁止「~ないでください」
古文単語の中でも、ちょっと文法が関わっているのが【呼応の副詞】です。「呼応」というのは、ある語とある語がセットになって特別な意味になることを言います。『特別な意味』ということは、問題として問われやすい、ということです。種類はそんなに多くありませんので早めに覚えてしまいましょう。
【副詞】は文法の授業で扱われる機会は多くありません。しかし、副詞に呼応する単語は助動詞や助詞ですので、意味を一緒に覚えてしまえば一石二鳥です。特に「打消」の意味を持つものは要チェックですよ!(打消の助動詞「ず」、打消推量の助動詞「まじ」「じ」、打消接続の助詞「で」など)
▼まとめ
繰り返しますが、基礎はとても大切です。でも、そこでつまずいて古文を諦めてしまうくらいなら、他のところから始めても良いのです。知っている語が少しでも増えれば内容が分かるようになって得点に繋がります。
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